芝生に横たわった6才の少年が、空を見上げるシーンから始まる、「6才のボクが、大人になるまで('Boyhood')」
このオープニングシーンで、BGMにColdplayの初期の名作'Yellow' が流れ始めると、「いいぞ!」と映画館で一人、秘かに頷いた。
94年の「ビフォア・サンライズ」以降、多くの作品を共同で作りあげてきたリチャード・リンクレーター監督と俳優のイーサン・ホーク。
「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」と続く「ビフォア」シリーズはもちろん大好きだけれども、イーサン・ホークとロバート・ショーン・レナード(「いまを生きる」で共演!)、ユマ・サーマン(当時の妻!)の3人が繰り広げる室内劇「テープ」や、アメリカのファスト・フード業界の内幕を描いた「ファスト・フード・ネイション」なんかも捨てがたい。
今回、イーサンは離婚した父親役を演じているけれども、この映画の素晴らしさは、何といっても主役の男の子を演じた、エラー・コルトレーンの魅力につきる。
しっかり者だけれども少しヒステリックな母親と、優等生の姉、そして一緒に住むことは出来ないものの、遠くから優しく子供たちを見つめるイーサン演じる父親。
彼らに見守られながら、感受性豊かな主人公の少年(おそらく、リンクレーター監督のオルター・エゴ)は、反抗期を迎えたり、失恋を経験したりする。
髪の毛は年を経るごとに、ロン毛になったり、パンク風になったり。
いつしか、耳には大きなピアス、そして爪にはマニュキアと、「純真な男の子」から「やんちゃな若者」へと変貌していく。
けれども、それは単なる外見の変化であって、主人公の人柄の良さは、画面からヒシヒシと伝わってくるので、決して嫌な感情は喚起させない。
3時間弱という長さを感じさせない、10年に1本の傑作。
さすが、変幻自在のリチャード・リンクレーター監督。
今週、ゴールデン・グローブ賞6部門受賞というニュースも飛び込んできました!
http://6sainoboku.jp/
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