Sunday 12 August 2012

take this walts



カナダ人俳優・監督であるサラ・ポリーのインタビュー映像や記事を目にするたび、彼女の聡明さに驚かされる。

俳優としてのキャリアは4歳からで、カナダでは知らぬ者がいないほどの有名人であるが、政治や社会問題に対して積極的に発言してきたことでも知られている。

アルツハイマーを患った老女と、その夫との関係を描いた監督デビュー作「アウェイ・フロム・ハー」に引き続く、監督第二作「テイク・ディス・ワルツ」。

トロントに住む20代の女性が、5年連れ添った夫を愛しながらも、旅先で出会った男性に惹かれ、葛藤する。

「アウェイ・フロム・ハー」のカップルは70代、「テイク・ディス・ワルツ」は20代という違いはあるにせよ、「夫婦とは何か」「長年、同じ人と連れ添って生活することとは何か」というテーマは、両作品に共通している。

物語は、分かりやすいストーリーしか描けなくなっている近年のハリウッド映画とは一線を画し、ことごとく人間の「リアルさ」を描き出す。

それは、ハリウッドからの数あるオファーに背を向け、自分が納得する作品を選び続けるサラ・ポリーという人の生き方と重なる。


物語は、少なくとも僕にとっては、思いがけない展開で終わる。

ほろ苦さが残るエンディングは、他の作品では味わえない余韻の代償だ。




http://takethiswaltz.jp/

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