人間の本質や本性は、いくら他人や本人が分かったつもりになっていても、本当のところは分からないものではないだろうか。
予期せぬ困難に出会ったとき、自分ではよく知っていると思っていた相手が、思いがけない行動に出る、なんてことは十分に起こり得る。
だから、人間の本当の「器」なんてものは、なかなか推し量ることが出来ない。
けれども、他人からどう言われようとも、自分の頭で考え、自分のキャパシティーを広げようとしている人間に対して、僕は親近感を持つし、僕自身もそんな人間でありたいと思っている。
ブラジル、ベルギー、セルビア、アメリカ。
年収や安定には見向きもせず、「ここではないどこか」を探して彷徨い続ける彼の情報を目にするたび、何とも表現し難い感情が、僕の心をうずいた。
ひょっとして彼は、「死に場所」をさがしているんじゃないか。
いつの頃からか、僕はそう思うようになった。
そして彼は、「死に場所」として、故郷のクラブ・チームを選んだ。
35歳になった彼の顔には、自分の頭で考え、行動してきた深みが出てきたように思えてならない。
たとえ、僕が彼の本質を知ることは出来ずとも。
http://number.bunshun.jp/articles/-/12503
http://www.mito-hollyhock.net/www/news/index.cgi?no=756
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