Sunday 12 June 2011

kore-eda

映画を見ることはそれなりに好きなのだけれども、見ることが目的にならないように気を付けている。

仕事ではなく、あくまで楽しみなのだから、興味のある映画を週に1本でも見られれば、それで十分だと思っている。

そんなスタンスなので、当然のことながら、いままで見たことの無い名作は山ほどあり、言わずもがな、見たことの無い駄作映画は無数にある。


いつの頃からか、映画を選ぶ基準として、テーマや出演者に加え、監督の名前が加わるようになった。

とは言っても、作品が公開されるたびにチェックする監督は数人しかいない。

そのうちの一人、是枝監督の「奇跡」を、吉祥寺のバウス・シアターで見た。


古き良き日本映画を思わせるようなデビュー作「幻の光」を見たのは、高校生の頃だったか。

死を迎える人々に対し、「人生の中で、最も素晴らしい体験」を聞き、その状況を再現することで死者を送り出す、というユニークな設定の施設を描いた作品「ワンダフル・ライフ」。

そして、異様なまでに哀しく、異様なまでに美しい「誰も知らない」。

彼の作品の何が僕を惹きつけるのか、明確な理由は分からない。

けれども、彼の映画作りに対する真摯な姿勢が、僕の心を動かし続けることは確かだ。


「奇跡」は、ストーリーだけを評価するのであれば、名作とは言えないのかもしれない。

けれども、僕は映画を見ながら何回も笑って、たまに悲しくなって、そして最後は気持ちが晴れやかになった。

そう、この作品には、映画を見る醍醐味が詰まっているような気がする。

http://kiseki.gaga.ne.jp/

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