Sunday 11 December 2011

味の素



少し前のことになるが、J2の「FC東京×水戸」を、味の素スタジアムで見た。

もう10年以上前になるが、「家の近くに、東京スタジアムという立派なスタジアムが出来る」という情報を知り、胸をワクワクさせて、建設中のスタジアムを外から眺めたりしていた。

東京スタジアムは、いつしか「ネーミング・ライツ」という手法でスポンサーの名前を冠するようになったが、外観や芝生の美しさは、以前と変わらない。


「味スタ」に行くのは1年振りくらいだろうか。

「味スタ」をホーム・スタジアムとするFC東京と東京ヴェルディの試合を見に、学生の頃は毎週末通っていたのが、今となっては懐かしい。

今年は両チームともJ2という低落ぶり。

自然と足も遠のいていた。



そんな中、「FC東京×水戸」を見に行った理由は、両チームのベテランFWを見たいと思ったからだった。

FC東京のルーカスと、水戸の鈴木隆行。

FC東京とガンバ大阪に長く在籍し、日本語も流暢な「人格者」として知られるブラジル人のルーカスが、J2に降格した古巣のために、現役引退を取り下げて復帰するという報道は、僕の心を温かくした。

日本、ブラジル、ベルギー、セルビア、アメリカと渡り歩き、アメリカのポートランドにあるチームからコーチを打診されていた鈴木隆行。彼も一度、現役引退を決意したが、震災が彼の人生を変えた。財政難に苦しむ故郷のチームのために、無給のアマチュア契約。

そう、この試合は「一度は現役引退を決意したFW」の戦いでもあった。



J2を独走したFC東京と、中~下位に低迷する水戸との間には、明らかな力の差があった。

けれども、この日の僕には、そんなことはどうでもよかった。

チームのために、前線を献身的に走り回るルーカス。

途中出場ながら、体の強さを活かしたボール・キープで、攻撃を活性化させた鈴木隆行。

そして、以前と比べて、明らかにレベルが向上したバックスタンドのFC東京ファン。


時代は流れるけれども、悪いことばかりじゃない。

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