Monday 9 January 2012

GVS


誰のアイディアなのかは分からないが、いつからか、「アーティスト」という肩書の人が増えた。

個人的には、音を作り奏でる人は「ミュージシャン」、映画を作る人は「フィルム・ディレクター」、建物を設計する人は「建築家」、というような具合に、「アーティスト」であることよりも、「職人」であることに徹するべき人が殆どではないかと思っている。

けれども、これらの職業に就いている人の中でも、ごくまれに「アーティスト」という肩書がしっくりくる人がいる。

僕の中では、ガス・ヴァン・サントがそうだ。



「ミルク」や「グッド・ウィル・ハンティング」などの大作で知られることが多いが、デッサンや作曲なども手掛ける彼の個性が最も発揮されるのは、自身が住むオレゴン州ポートランドを舞台とした小規模作品だと思う。

両親を交通事故で亡くし、絶望の境地にいる少年と、余命3ヶ月と宣告された少女との淡い恋を描いた彼の最新作「永遠の僕たち(Restless)」。

「余命〇ヶ月」という設定のドラマはありきたりだし、物語の中で、これといった大きな事件は起こらない。

けれども、秋のポートランドを舞台とした映像は、1シーンごとに絵画を見ていると思わせるほど美しい。

そして、彼の作品の代名詞となっている繊細な音楽。

そう、ガス・ヴァン・サントの映画こそ、まさしく「アート」だ。


映画は、恋人を失った少年が、彼女と過ごした美しい時間を思い出し、微笑む瞬間で終わる。

エンディングの瞬間、僕の目から不意に流れた涙の理由は、「物語」ではなく、その「美しさ」によるものだ。

http://www.eien-bokutachi.jp/site/

2 comments:

  1. うちもガス・ヴァン・サントの作品すき。 
    カリフォルニアを思い出すし
    彼の映画こそにおいを感じる。

    これきになってました。
    みにいってみる。

    と、借りてる物かりっぱなしでごめんなさーい!!

    ReplyDelete
  2. うちもガス・ヴァン・サントの作品すき。 
    カリフォルニアを思い出すし
    彼の映画こそにおいを感じる。

    これきになってました。
    みにいってみる。

    と、借りてる物かりっぱなしでごめんなさーい!!

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