Saturday 24 July 2010

this is not a 'chick-flick'


2年ほど前に日本で公開された「ジュノ」という映画は、僕にとって衝撃であった。

高校生の妊娠ものという’ありがちな’ストーリーにも関わらず、ジュノという名の主人公が放つ雰囲気と、「現代のホールデン・コールフィールド」とも称された機知に富むセリフに、僕はすっかりやられてしまった。
その主人公を演じたカナダ人俳優エレン・ペイジが主演し、ドリュー・バリモアが初監督した「ローラーガールズ・ダイアリー」を、吉祥寺のバウスシアターで観た。

ドリュー・バリモアは、言わずと知られた'ET'の天才子役であること。10代前半で深刻なドラック及びアルコール中毒になったこと。それと、いくつかの出演作を観る限り、演技が天才的にうまいこと。そんな'Wikipedia'程度の認識しかなかった。

だから、日本公開を前に新聞に掲載された彼女のインタビュー記事を読み、その聡明さと意志の強さに驚いた。

'chick-flick'という言葉が英語にはあり、主に女性向けの映画に対して使われるている。

「ローラーガールズ・ダイアリー」は、出演者がほとんど女性ということもあり、世間一般では'chick-flick'に分類されるのだろうけれども、ドリュー・バリモアは、この言葉自体に違和感を感じるのだとか。

「だって、「男のための映画」という言葉はあるの?」と。

おっしゃる通り。

ストーリーは、美人コンテストに優勝させることに躍起になっている母親に違和感を感じているアメリカの片田舎に住む女子高生が、'roller derby'と呼ばれるローラースケートの競技に出会い成長していく、というシンプルなもの。

決して美人ではないけれども、自分の意志を強く持つ主人公ブリスを演じるエレン・ペイジは、「ジュノ」に引き続くはまり役。

そして、「ギルバート・グレイプ」などで、90年代に強い印象を残した個性派俳優のジュリエット・ルイスが主人公の敵役で出ていたのだけれども、何だか懐かしくて嬉しかった。
全体としても、「傑作」とは言えないけれども、エンジョイすることが出来た。
最後に、ドリュー・バリモアのインタビューで印象に残った箇所を。
'Bliss' life in Bordeen,Texas, may seem dull and dreary to her and you, and me- but there are starving people in a lot of this world that would be real glad to switch places with her, materially. That's because everything's relative. I think that, really, the one human constant is that whatever it is you have, you want more....'

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