Sunday 4 July 2010

Auster

Paul Auster の新刊 'invisible' を読んでいる。

日本では人気の高い彼だけれども、北米ではそれほど有名ではないらしい。

はっきりとした理由は分からないのだけれども、翻訳を手掛けている柴田元幸さんの力も多分にあるのだろうなぁ、と思う。

たしかに彼の翻訳は良いけれども、オースター自身の文章も、物凄く綺麗で、読むたびに感動する。

ただ、彼の作品は長編が多いうえに、村上春樹の作品とも比較されるように、少し不思議な世界に読者を連れ出すことが多く、原書で読んでいても、100ページあたりで疲れて投げ出してしまったことは一度や二度ではない(本当に)。

その点、この'invisible'は彼の作品には珍しく’ボーイ・ミーツ・ガール’の様相を呈している(いまのところ)ので、「い~ぞ~オースター、このまま突っ走ってくれ」と願いながら読んでいる。

ちなみに、彼の作品にあまり馴染みが無い方には、映画「スモーク」がお勧めです。

自身の珍しい短編小説を基にオースターが脚本を書き、ウェイン・ワンが監督したこの映画は、ハーヴェイ・カイテルが渋い演技を見せてくれていて、僕のお気に入りの一本。

それと、'The Red Notebook'(「トゥルー・ストーリーズ」)という題のノン・フィクション。

オースターと、彼の周辺の人たちの間で起こった摩訶不思議な出来事を綴った短編集で、この本には人生のエッセンスが詰まっているような気がする。

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