Monday 6 September 2010

we're not giving anything

バンクーバーにいた頃、雰囲気のあるカフェやショップが多いメイン・ストリートという通りにある古本屋で、この本を初めて手にした。

インパクトのある装丁なので、それ以前にも表紙は見たことがあったのだけれども、何となく気になって、その絵本を開いた。

洋書と言っても、小学校低学年ならば簡単に読めるような英文なので、3分ほどで読み終わったように思う。

けれども、読み始めてすぐに、これが物凄く深い物語であることは容易に分かった。

簡単に言うならば、衝撃であった。

レジに向かい、店員さんにこの作者はどういう人なのかを尋ねた。

ベトナム戦争の帰還兵で、トム・ウェイツの歌詞を書いたりもしていて、とても知的な人だ。

確か、そんなことを教えてくれたと思う。


先日、新聞を何気なく眺めていたら、書籍の広告欄に、この本の表紙を見かけた。

'The Giving Tree'(邦題・大きな木)

そして、訳者に村上春樹とあった。


30ページに満たない絵本を、わざわざ彼が訳さなくとも良い、とは思う。

それに、あの程度の英文ならば、原書でも大抵の人は理解できるとも思う。

けれども、彼が訳すことによって、多くの日本人がこの本を手に取るのであれば、それはそれで悪くないような気がした。

本屋に立ち寄り、訳者による後書きを読む。

「この本は、人生で何度も何度も読み直してください」

そんなことが書いてあった。

http://www.shelsilverstein.com/indexSite.html

No comments:

Post a Comment