バンクーバーにいた頃、雰囲気のあるカフェやショップが多いメイン・ストリートという通りにある古本屋で、この本を初めて手にした。
インパクトのある装丁なので、それ以前にも表紙は見たことがあったのだけれども、何となく気になって、その絵本を開いた。
洋書と言っても、小学校低学年ならば簡単に読めるような英文なので、3分ほどで読み終わったように思う。
けれども、読み始めてすぐに、これが物凄く深い物語であることは容易に分かった。
簡単に言うならば、衝撃であった。
レジに向かい、店員さんにこの作者はどういう人なのかを尋ねた。
ベトナム戦争の帰還兵で、トム・ウェイツの歌詞を書いたりもしていて、とても知的な人だ。
確か、そんなことを教えてくれたと思う。
先日、新聞を何気なく眺めていたら、書籍の広告欄に、この本の表紙を見かけた。
'The Giving Tree'(邦題・大きな木)
そして、訳者に村上春樹とあった。
30ページに満たない絵本を、わざわざ彼が訳さなくとも良い、とは思う。
それに、あの程度の英文ならば、原書でも大抵の人は理解できるとも思う。
けれども、彼が訳すことによって、多くの日本人がこの本を手に取るのであれば、それはそれで悪くないような気がした。
本屋に立ち寄り、訳者による後書きを読む。
「この本は、人生で何度も何度も読み直してください」
そんなことが書いてあった。
http://www.shelsilverstein.com/indexSite.html
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