トーキョーにあるギョーセーという学校は、第一外国語にフランス語を教えることで有名な中高一貫教育の男子校で。
進学校でありながら、サッカーの強豪校でもある。
進路に悩んでいた中学生の頃、「サッカーの強い進学校」というと、真っ先にギョーセーコーコーが頭に浮かんだのだけれども。
「ギョーセーは、高校からの部外者は入れないらしいぜ」
という噂は自然と耳に入ってきていたので、早い段階から入学は諦めていた。
確かに、英語の文法すらろくに知らない人間が、ギョーセーコーコーに入って、フランス語の授業に付いて行けるとも思えない。
ギョーセーコーコーにマエダ・リョウイチという選手がいて、ジュビロ・イワタに入団するらしい。
そんな話を聞いてしばらくした後、プロになった彼のプレーを見た。
マエダ・リョウイチのプレー・スタイルは、誰の物にも似ていなかったけれども。
とてつもない才能を持った選手であることは、すぐに分かった。
それ以来、ボタンの数が特徴的なギョーセーの学ランを来た学生を電車の中で見かけるたびに。
決まって、マエダ・リョウイチのことを思い出すようになった。
初めて彼のプレーを見てから、日本代表のエースになるまで。
随分と時間が掛かったように思うのだけれども。
「おぼっちゃん」学校であるギョーセーの出身らしく、FWながら、どこか気品ある彼のプレーを眺めることは、僕の秘かな喜びである。
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