Tuesday 20 September 2011
fairness
バンクーバーに住む人の多くはフレンドリーだと思う。
ただ、皆が皆、オープン・マインドで、明るくて陽気な人か、と言われると、そうではない。
ラテン・アメリカの人々なんかが醸し出す底抜けの陽気さは、カナダ人にはない。
陽気さが、その場を一瞬盛り上げるものだとしたら、フレンドリーさは、じわっと心に染み入るものではないだろうか。
帰りの飛行機に乗るため、泊まっていたB & Bの近くからバスに乗った。
大きな荷物を抱えている僕に対し、運転手さんが何かを尋ねた。
'Pardon?'(何ですか?)
不意の問いかけだったので、そう聞きなおすと、「どこまで行くんだい?」と言ったようだった。
「東京までだよ」と答えると、
「ほ~、そりゃぁ随分長いフライトだな」
荷物が多いので、バスの前の方で空いている席に座った。
その運転手さんは、乗車してくる一人一人に、しっかりとした挨拶をしている。
途中、高校生と思われる若者が一人、バスに乗ってきた。
例によってその運転手さんは、その若者に笑顔で「調子はどうだ?」と問い掛ける。
かったるそうな、だるさ全快のその若者は、面倒くさそうに小声で '....good' などと返す。
色々なお客さんが乗車してきて、彼のフレンドリーな挨拶に対し、人それぞれの対応を返す。
乗車している間、彼の振る舞いを何となく眺めていたけれども、彼はどんなお客さんに対しても、公平に、同じようなフレンドリーさで接していた。
彼を一言で表現するなら、「フェア」だろうと思う。
彼のような「フェア」な人間が、バスの運転をしている。
そんな事実が、この街が魅力的であり続ける原動力のような気がした。
最寄の駅に着き、バスを降りる際に'Thank you, sir'と礼を言うと、素敵な笑顔で'Have a good flight!'と返された。
旅の終わりに、彼と出会えて良かった。
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