Saturday 6 November 2010

異国

@ St. Petersburg (Florida)

約30年振りで、アメリカの地に足を踏み入れた。


航空チケットにある発着時間は現地時間表示なので、果たしてシドニーから何時間
掛かるのか、調べもせずに搭乗した。

「まぁ、せいぜい10時間だろう」

と。

途中、映画「インセプション」を観る。

これほど機内で観るのに適さない映画も珍しい。
全く持って意味が分からない。
知能指数?英語力?機内だから?
恐らく、その全て。

結局、ロスに着いたのは14時間後だった。

シドニーを朝の11時頃発ったので、眠気と疲れはピーク。

そんな僕を待っていたのは、スキンヘッドに髭を蓄えたアジア系入国審査官だった。

入国カードの記載欄に「ビジネス」とあったので、「No」と記した。
この旅で、僕はお金を一銭も動かさない。

入国目的を告げると、「ビジネス欄にマークを付けろ」と言われる。

「でも・・・」とつぶやくと、それが怒号に変わった。

ただでさえ疲れきっているのだ。

こちらの気分は、芳しいはずがない。

けれども、従わざるをえない。

「この次に研究で来るときは、絶対に商用ビザを取って来い。
一回目だから許してやる。分かったか?」

この状況で、ウィットに富んだ回答が出来る人を、僕は知らない。



空港で乗り継ぎ手続きをする。

周りには色々な人種、人間がいる。

全般的におっとりとしたオーストラリア人に慣れきっていたので、
外国にいるという緊張感が蘇る。

全く持って別世界に来た。
そんな印象を強く持った。

ロスからデンバー径由で、フロリダのタンパに着いたとき、
僕の腕時計はちょうど朝の11時くらいになっていた。

とにかく今は、少しゆっくりしたい。

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