Sunday 21 November 2010

逃した魚


Pictures in St. Petersburg

夕暮れ、橋の上で釣りをしている人をよく見かけた。

それが若い兄ちゃんだったりした場合は、よく挨拶をした。

「何が釣れるの?」

なんて聞こうかと思ったけど、魚の名前を言われてもどうせ分からないので
聞かなかった。


ある日、橋を渡ろうとしたら、歩道に大量の魚(しかも1本70~80cmくらい)が
打ち上げられていた。

びっくりしたのだけれども、どうやら怪しいおっさん2人が、橋の上から網を張っているようだった。

打ち上げられた魚の何本かは車道にまではみ出している。

歩道を通行するのは当然無理なので、車道によけて通過しようとしたら、怪しいおっさんの一人が

「キックしろ!」

と僕に向かって言っている。

最初、何を言っているのか分からなかったのだけれども、魚が車に轢かれないように歩道側に魚を蹴れ、と言っているようだった。

勝手に歩道を占拠しておいて、命令形はないよなぁ。そう思いながらも、やむなく蹴った。

サッカーボールの何十倍もの重量がある魚は、僕のインサイドキックでは大して動かなかった。

物凄い光景だったので、カメラに収めようかと思ったけれども、怪しいおっさん達が
怒りそうだったのでやめた。

逃した魚は、大きかった。

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