Thursday 28 October 2010

アデ経

Pictures in Adelaide


アデレードでのある日。


夕飯を食べに、行きつけのレストランへ行ったときのこと。


注文して料理が運ばれてくるまでの間、何もすることが無かったので、
お店に置いてある経済新聞を読み始めた。


「全くもって職業病だよね」なんて皮肉を言われるかもしれないけれども。
普段、新聞で経済欄はあまり見ない。株価が、とか、ジャスダックが、などと言われても
チンプンカンプンであることと、世界で起きている話題を知る方が、単純に面白いから。


そんな僕でも理解できるような記事を探し、何となく気になったコラムを読み始める。

農業、ワイン、経済、環境。

色々な視点から、国が取るべき施策を提案する興味深い内容だった。


アデレードがある南オーストラリア州の主産業は農業。特にワインが有名である。

だから、スーパーに行くと、地元で取られた野菜やらワインやらが沢山。

ところが、ここはオーストラリア一、乾燥した地域。

昔から、農業用水はダムに頼っていたのだけれども、国内を襲った近年の
大干ばつで、農家は壊滅的な被害を被った。


そこで、「これ以上、河川水には頼れない」という政府の決断で、下水を処理した
再生水を灌漑用水として用いることを決めた経緯がある。



実は、僕の今回の研修のテーマが、この下水の再生水。
だから、農家への灌漑方法なんかを、現場に連れて行って見させて貰った。




ところで、そのコラムの趣旨はこんな感じだった。


「近年の好景気で、オーストラリアドルが強い。
その性で、ワインの輸出量は減る見通し。
ワイン産業は、国内では飽和状態であることに加えて、
干ばつの影響から、農家への水利権を減らすことも決まっている。
温暖化の影響も強まるだろう。つまり、ワインはもう、斜陽産業である。
政府は、今後、より伸びる見込みのある産業に、
資金を投入すべきである。」



読んでいて、そのコラムニストが持つ様々な視点と、自分の興味のある分野、
それと今回の研修内容、それらが、僕の中で見事に一点に集約
されたような感覚を味わった


「うゎ~、これは面白いな」


そう思った。


こんな経済記事なら、毎日読みます。

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