Saturday 16 October 2010

give and take

@Adelaide

オーストラリアはやっと春がきたばかりで、寒暖の差が凄く激しい。

金曜日は時折シャワーが降るばかりでなく、最高気温が13度くらい。
前日まで25度くらいあったから、体調管理が大変。

しかもこの日は、州の役人に会うことになっていた。

夏物のスーツにマフラー代わりのスカーフ、凍えながらビルに入る。

出迎えてくれたのは、クリスという定年間近の担当者。

見ず知らずの日本人から、「お宅の施設を見たいから対応してくれ」
なんてメールが来たら、適当にあしらわれるだけだろう。

そう思っていたし、実際にシンガポールではそうだった。

てっきり若造に対応されることを想像していたので、少し驚いた。


少し話しをしてから、彼のフォードに乗り、現場へ。

早口で、専門用語を、非常に強いオーストラリア訛りで矢継ぎ早に喋るクリス。

居心地は、あまり良くない。



彼自身も認めているように、アデレードは白人社会。

シドニーなどの都市と比べると、それは顕著だと言う。


お昼は、海沿いのイタリアンでパスタをご馳走になる。

アデレードには、中国や韓国からの留学生が沢山いる。

「彼らは、いつも自分たちで固まっているけれども、もっと心を開けばいいのに。
英語だけじゃなくて、学ぶべき文化が沢山あると思う。」

僕がそう言うと、「そうだよな」とクリス。


結局、彼とは8時間くらい一緒にいた。

車を運転していても、ひっきりなしに電話がある彼は、恐らく結構忙しい。



本当のところ、彼が僕のことをどう思っていたかは分からない。

この地で生まれ育った彼に、アジア人に対する偏見や差別があっても、
何ら不思議ではない。

けれども、彼は一切それを出さなかった。

「自分から飛び込んでくる人間は歓迎する」

そう言わんばかりに。


僕は彼に、何をお返しできるだろう、と考える。

東京に帰ったら、「アデレードは凄く美しくて、人が優しい街だった」と、友達に言うこと。

そして、自分が逆の立場になったら、同じような行動をとること。

それぐらいしか、いまは思い浮かばない。

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