Monday 13 December 2010

質素


Pictures in the Orange County

カリフォルニア州オレンジ郡で泊まったのは、ハンティントン・ビーチという、サーフィンで有名な街だった。

朝、ダウンタウンにある図書館に向かうため歩いていると、サーフ・スーツを着た若者が、サーフ・ボード片手に自転車でビーチに向かう姿を、よく見かけた。

ダウンタウン周辺に住む人は、ほとんどが白人だったし、家の前にある車も、それなりの値段がするものが多かった。

つまり、全般的に富裕層が暮らしているはずなのだけれども。

豪邸と呼べるようなものよりは、平屋建てを含め、質素な家屋が多かったように思う。

その理由が、サーファー達が質素な生活を求めているからなのかは、残念ながら分からなかったのだけれども。

夕方、図書館からホテルへの帰り道、家々の窓などを通して、住民の生活を垣間見ることが、ささやかや楽しみであった。



アメリカでは、多くの住居地域でセキュリティ会社が警備を行っている。

つまり、部外者はその地域に、無断で入ることすら出来ない。

まさに、「安全はお金で買う」

そのような概念を求めてしまう人々の気持ちが、分からない訳ではないのだけれども。

これが、正しい街のあり方だとは、どうしても思えない。



ハンティントン・ビーチにも、そのような地域もあるのだろうけれども。

自転車でビーチに通うサーファー達に、そんな街はやっぱり似合わない。

質素な街にある図書館は、教会のように質素な建物だった。

その平屋の図書館には窓が沢山ついていて、日がたくさん差し込む。

一日中屋内にいると、時間帯によっては眩しくて、椅子の位置を頻繁に変える必要があったのだけれども。

不便だからこそ、気が付ける感覚もきっとあるはずで。

そういう感覚は、きっとお金では買えないのだと思う。

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