Sunday 5 December 2010

from the bottom of her heart


Pictures in Orlando

オーランドで泊まったホテルは、1泊50ドルにも満たない安宿だった。

周辺の治安が悪いことほど、困ったことはないのだけれども。

ホテルのサービスも、さすがに素晴らしいとは言い難いものであった。


部屋の時計が壊れていて、時間が分からない。

金庫の鍵が閉まらない(つまり、既に金庫じゃない)。

ポットを沸かしても、お湯が50度くらいにしかならない(そのことを知らずに、一度、日清のカップ・ヌードルを作りました)。

ベッドのスプリングが壊れている。

部屋がカビ臭い。


不満をあげればきりが無いのだけれども。

「世界の〇人に1人が、清潔な飲み水にありつけず・・・」

なんてレポートを毎日読んでいるので。

シャワーから綺麗なお湯が出て、テレビと冷蔵庫がちゃんと動くのに、不平不満ばかり言っていたらバチが当たるな、と思うようにはしていた。


ただ、物質面は許せても、ホテルの従業員のサービスも、「何だかなぁ・・・」と思うようなことが沢山あった。

こちらで知り合った人に、少し愚痴めいたことを言ったら、

「彼らは、良いサービス、というものを知らないで育ったんだから、しょうがない」

との返答。

うん、確かにそうだろうな。


ところが、そんな従業員の中に一人だけ、いつも物凄く素敵な笑顔で挨拶をしてくれる黒人のおばちゃんがいた。

こんな地区にあるホテルのハウス・キーパーをするくらいなのだから、決して裕福な生活を送ってはいないはず。

けれども、そのおばちゃんの笑顔は、何度見ても本物だった。



ふと、こんな想像をしてみる。

自分が黒人女性に生まれて、お世辞にも社会的地位が高いとは言えない職業に就いて、見知らぬアジア人の客に、心の底から笑顔を投げ掛けられるだろうか、と。

はっきりと、分かる。

いまの僕には、出来ない。



以前と比べて、少しは頭の中の整理が出来るようになったからといって、分かったような振りをするもんじゃない。

僕にそう思わせてくれるほど、彼女の笑顔は素晴らしかった。

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